Zapier vs Make — 業務自動化ツールはどちらを選ぶべき?
繰り返しの手作業を自動化したい——そんなときに頼りになるのがiPaaS(Integration Platform as a Service)です。Zapierと**Make(旧Integromat)**は、ノーコードで業務自動化を実現する2大ツールです。
この記事では、2026年3月時点の最新情報をもとに、両者を徹底比較します。
基本スペック比較
| 項目 | Zapier | Make |
|---|---|---|
| 開発元 | Zapier, Inc.(米国) | Celonis(ドイツ) |
| 旧名称 | — | Integromat |
| 無料プラン | あり(100タスク/月) | あり(1,000オペレーション/月) |
| 有料プラン | Professional $29.99/月〜 | Core $10.59/月〜 |
| 対応アプリ数 | 7,000以上 | 1,800以上 |
| 日本語対応 | △(UIは英語) | △(UIは英語) |
料金プラン比較
| プラン | Zapier | Make |
|---|---|---|
| 無料 | 100タスク/月、5つのZap | 1,000オペレーション/月、2シナリオ |
| エントリー | Professional $29.99/月(750タスク) | Core $10.59/月(10,000オペレーション) |
| スタンダード | Team $103.50/月(2,000タスク) | Pro $18.82/月(10,000オペレーション) |
| ビジネス | Company 要見積り | Teams $34.12/月(10,000オペレーション) |
| エンタープライズ | Enterprise 要見積り | Enterprise 要見積り |
Makeはコストパフォーマンスで圧倒的に有利です。Zapierの無料プランは月100タスクですが、Makeは月1,000オペレーション。有料プランでもMakeの方が大幅に安く、同じ予算でより多くの自動化を実行できます。
設計思想の違い
Zapierの設計思想
Zapierは**「シンプルさ」**を最優先にした設計です。
- Zap: トリガー → アクションの直線的なワークフロー
- 即座に使える: アプリを選んでトリガーとアクションを設定するだけ
- テンプレート: よく使うワークフローのテンプレートが豊富
- AI統合: 自然言語でZapを作成可能
Makeの設計思想
Makeは**「柔軟性」**を最優先にした設計です。
- シナリオ: ビジュアルフローで分岐・ループ・エラー処理を構築
- モジュール: 各ステップを視覚的に接続
- データ変換: 組み込みの関数でデータを加工
- 条件分岐: 複雑なロジックをGUIで実装
機能比較
| 機能 | Zapier | Make |
|---|---|---|
| ワークフロービルダー | リスト型(直線的) | ビジュアルフロー(分岐可能) |
| 条件分岐 | ◎(Paths機能) | ◎(Router) |
| ループ処理 | △(限定的) | ◎(Iterator/Aggregator) |
| エラーハンドリング | ○ | ◎(詳細なエラー処理) |
| データ変換 | ○(Formatter) | ◎(組み込み関数が豊富) |
| Webhook | ◎ | ◎ |
| スケジュール実行 | ◎ | ◎ |
| 実行ログ | ◎ | ◎ |
| バージョン管理 | △ | ○ |
| チーム共有 | ◎(Team以上) | ◎(Teams以上) |
対応アプリの比較
Zapier(7,000以上)
- 強み: 英語圏のSaaSはほぼ網羅。ニッチなツールにも対応
- 人気アプリ: Gmail、Slack、Notion、HubSpot、Salesforce、Shopify
- 日本製ツール: kintone、Chatwork、freee等も対応(ただし限定的)
- カスタム連携: Webhook、API Requestで未対応アプリにも接続可能
Make(1,800以上)
- 強み: 主要SaaSは網羅。HTTP/JSONモジュールで未対応アプリにも柔軟に対応
- 人気アプリ: Gmail、Slack、Notion、HubSpot、Shopify、Airtable
- 日本製ツール: 対応は少ないがHTTPモジュールで対応可能
- カスタム連携: HTTPモジュールの自由度がZapierより高い
アプリ数ではZapierが圧倒的ですが、HTTPモジュールの柔軟性を考えるとMakeでも多くのケースに対応できます。
学習コストの比較
| 項目 | Zapier | Make |
|---|---|---|
| 初心者の取っ掛かり | ◎(非常に簡単) | ○(やや学習が必要) |
| 複雑なワークフロー構築 | ○ | ◎ |
| ドキュメント | ◎(英語) | ◎(英語) |
| 日本語情報 | ○ | ○ |
| チュートリアル | ◎ | ◎ |
| コミュニティ | ◎ | ○ |
Zapierはとにかく始めやすいのが最大の強み。初めて自動化に触れる人でも数分でワークフローを作成できます。Makeはビジュアルフローの概念を理解する必要がありますが、一度覚えれば非常に強力です。
Zapierのメリット・デメリット
メリット
- 圧倒的なアプリ対応数: 7,000以上のアプリに対応
- 初心者に優しい: 直感的なUIで即座に始められる
- テンプレートが豊富: ワンクリックでよく使うワークフローを設定
- AI連携: ChatGPTやClaude等のAIツールとの連携が充実
- 信頼性: 大企業での導入実績が豊富
デメリット
- 料金が高い: Makeの数倍のコスト
- タスク課金制: 実行回数に応じて課金が増える
- 複雑なロジック: 分岐やループが直感的でない場合がある
- データ変換の制限: Makeほどの柔軟性はない
Makeのメリット・デメリット
メリット
- コストパフォーマンス: Zapierの1/3〜1/5のコストで同等の自動化
- ビジュアルフロー: 複雑な処理を視覚的に構築
- データ変換が強力: 組み込み関数でデータを自在に加工
- エラーハンドリング: 詳細なエラー処理が可能
- HTTPモジュール: 未対応アプリにも柔軟に対応
デメリット
- 対応アプリが少ない: Zapierの1/4程度
- 学習コスト: ビジュアルフローの概念を理解する必要がある
- 日本語情報が少ない: 英語の情報源に頼ることが多い
- サポート: 無料プランではサポートが限定的
ユースケース別おすすめ
簡単な連携(メール→Slack通知など)
おすすめ: Zapier
単純なトリガー→アクションの自動化なら、Zapierのシンプルさが活きます。テンプレートからワンクリックで設定完了。
複雑なワークフロー(条件分岐・データ加工)
おすすめ: Make
条件分岐やループ処理が必要な場合、Makeのビジュアルフローが圧倒的に見やすく管理しやすいです。
スタートアップ・個人事業主
おすすめ: Make
コストを抑えつつ高度な自動化が可能。無料プランの1,000オペレーション/月は、小規模事業なら十分です。
エンタープライズ
おすすめ: Zapier
対応アプリの幅広さ、大企業での導入実績、SLA保証、SSO対応など、エンタープライズ要件に強いです。
併用の戦略
ZapierとMakeは併用も可能です:
- Zapier: シンプルな連携や、Zapierにしか対応していないアプリとの連携
- Make: 複雑なデータ処理や、コストを抑えたい高頻度の自動化
Webhookを介して両者を連携させることもできます。
まとめ:結局どちらを選ぶべき?
| 重視するポイント | おすすめ |
|---|---|
| コスト | Make |
| アプリ対応数 | Zapier |
| 使いやすさ | Zapier |
| 複雑なワークフロー | Make |
| データ変換 | Make |
| エンタープライズ対応 | Zapier |
| 学習リソース | Zapier |
**「簡単・速い・アプリ豊富ならZapier、安い・柔軟・高度ならMake」**が結論です。
まずは両方の無料プランを試して、自分のユースケースに合うかを実際に確認するのがおすすめです。
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