Prisma vs Drizzle — TypeScript ORMはどちらを選ぶべき?

TypeScriptプロジェクトでデータベースを扱う際、ORMの選択は開発体験と保守性に大きく影響します。Prismaは成熟した定番ORM、Drizzleは軽量・高速で急成長中の新星です。

この記事では、2026年3月時点の最新情報をもとに、両者を徹底比較します。

基本スペック比較

項目PrismaDrizzle
初版リリース2019年2022年
GitHub Stars40,000+28,000+
アプローチスキーマファーストコードファースト
クエリビルダー独自DSLSQL-like
型安全性
バンドルサイズ大(Rust製エンジン含む)極小(純TypeScript)
エッジ対応△(Accelerate経由)◎(ネイティブ)

対応データベース

データベースPrismaDrizzle
PostgreSQL
MySQL
SQLite
MongoDB×
CockroachDB×
PlanetScale
Neon
Turso (libSQL)
Cloudflare D1
Supabase

PrismaはMongoDB対応がある点が差別化ポイントです。一方、DrizzleはCloudflare D1やエッジDBとの相性が非常に良いです。

スキーマ定義の比較

Prismaのスキーマ(schema.prisma)

model User {
  id    Int     @id @default(autoincrement())
  email String  @unique
  name  String?
  posts Post[]
}

model Post {
  id       Int    @id @default(autoincrement())
  title    String
  author   User   @relation(fields: [authorId], references: [id])
  authorId Int
}

Prismaは**独自のスキーマ言語(PSL)**を使用します。読みやすく直感的ですが、TypeScriptとは別の言語を覚える必要があります。

Drizzleのスキーマ(schema.ts)

import { pgTable, serial, text, integer } from 'drizzle-orm/pg-core';

export const users = pgTable('users', {
  id: serial('id').primaryKey(),
  email: text('email').unique().notNull(),
  name: text('name'),
});

export const posts = pgTable('posts', {
  id: serial('id').primaryKey(),
  title: text('title').notNull(),
  authorId: integer('author_id').references(() => users.id),
});

Drizzleは純粋なTypeScriptでスキーマを定義します。TypeScriptの知識だけで完結し、IDE補完も効きます。

クエリの書き方

Prismaのクエリ

// ユーザー取得(リレーション含む)
const user = await prisma.user.findUnique({
  where: { id: 1 },
  include: { posts: true },
});

// 条件付き検索
const users = await prisma.user.findMany({
  where: { email: { contains: '@example.com' } },
  orderBy: { name: 'asc' },
});

Drizzleのクエリ

// ユーザー取得(リレーション含む)
const user = await db.query.users.findFirst({
  where: eq(users.id, 1),
  with: { posts: true },
});

// 条件付き検索(SQL-like)
const result = await db.select()
  .from(users)
  .where(like(users.email, '%@example.com%'))
  .orderBy(asc(users.name));

Prismaは直感的なオブジェクト構文、DrizzleはSQL に近い構文です。SQLに慣れた開発者はDrizzleが書きやすく、ORM的な抽象化を好む開発者はPrismaが合います。

パフォーマンス比較

項目PrismaDrizzle
クエリ実行速度
コールドスタート△(エンジン起動が重い)◎(軽量)
バンドルサイズ大(数MB)極小(数十KB)
メモリ使用量中〜大
N+1問題自動最適化手動制御
生成SQL最適ではない場合ありほぼ手書きSQL相当

Drizzleは純TypeScript実装のため、コールドスタートが圧倒的に速く、バンドルサイズも小さいです。サーバーレス環境やエッジコンピューティングでは大きな差になります。

PrismaはRust製のクエリエンジンを介してSQLを生成するため、オーバーヘッドがあります。ただし、N+1問題の自動解決やクエリ最適化の恩恵もあります。

マイグレーション

項目PrismaDrizzle
マイグレーション生成◎(prisma migrate)◎(drizzle-kit)
自動生成
SQL出力
ロールバック△(手動)△(手動)
シード◎(prisma db seed)○(手動スクリプト)
GUI管理◎(Prisma Studio)◎(Drizzle Studio)

どちらもスキーマの差分からマイグレーションSQLを自動生成する機能があります。Prismaの方が成熟しており、Drizzle Kitは急速に改善中です。

エッジランタイム対応

ランタイムPrismaDrizzle
Node.js
Cloudflare Workers△(Accelerate経由)◎(ネイティブ)
Vercel Edge△(Accelerate経由)
Deno
Bun

エッジランタイムではDrizzleが圧倒的に有利です。Prismaはエッジ環境ではPrisma Accelerate(プロキシサービス)を経由する必要があり、レイテンシとコストが追加されます。Drizzleは純TypeScriptのため、エッジ環境でもネイティブに動作します。

Prismaのメリット・デメリット

メリット

  • 成熟したエコシステム: ドキュメント、コミュニティ、サードパーティツールが充実
  • Prisma Studio: GUIでデータを閲覧・編集
  • 直感的なAPI: オブジェクト構文で読みやすい
  • MongoDB対応: NoSQLにも対応
  • マイグレーションの安定性: 長年の実績

デメリット

  • バンドルサイズ大: Rust製エンジンが数MBを占める
  • エッジ対応: Accelerate経由が必要
  • コールドスタート: サーバーレス環境で遅い
  • 独自言語: schema.prismaの学習が必要
  • 生成SQL: 最適でない場合がある

Drizzleのメリット・デメリット

メリット

  • 軽量高速: 純TypeScriptで極小バンドルサイズ
  • エッジネイティブ: Cloudflare Workers等で直接動作
  • SQL-like: SQLに近い構文で学習コストが低い
  • 型安全性: TypeScriptの型システムをフル活用
  • 柔軟性: 生成SQLの制御が容易

デメリット

  • 歴史が浅い: Prismaに比べてエコシステムが発展途上
  • MongoDB非対応: SQLデータベースのみ
  • ドキュメント: Prismaほど充実していない
  • 破壊的変更: まだAPIが安定していない部分がある

ユースケース別おすすめ

Cloudflare Workers / エッジ環境

おすすめ: Drizzle — ネイティブ対応、軽量、高速

Next.js(Vercel)

おすすめ: どちらも可 — PrismaはVercelとの統合が充実、DrizzleはEdge Functionで有利

大規模プロジェクト

おすすめ: Prisma — 成熟したエコシステム、チーム開発のノウハウが豊富

個人開発・サイドプロジェクト

おすすめ: Drizzle — 軽量、SQL-likeで直感的、セットアップが簡単

MongoDB を使いたい

おすすめ: Prisma — MongoDB対応はPrismaのみ

まとめ:結局どちらを選ぶべき?

重視するポイントおすすめ
エッジ対応Drizzle
パフォーマンスDrizzle
エコシステムPrisma
SQL的な書き方Drizzle
ORM的な書き方Prisma
MongoDBPrisma
バンドルサイズDrizzle
成熟度Prisma

**「エッジ環境やパフォーマンス重視ならDrizzle、成熟したエコシステムと安定性ならPrisma」**が結論です。


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