AWS vs GCP — クラウドプラットフォームはどちらを選ぶべき?

パブリッククラウドの選択はビジネスの根幹を支える重要な決断です。**AWS(Amazon Web Services)**は市場シェア1位の圧倒的なリーダー、**GCP(Google Cloud Platform)**はGoogleの技術力を活かした高成長プラットフォームです。

この記事では、2026年3月時点の最新情報をもとに、両者を徹底比較します。

基本スペック比較

項目AWSGCP
提供元AmazonGoogle
市場シェア約31%約12%
サービス数200以上150以上
リージョン数3340
日本リージョン東京、大阪東京、大阪
無料枠あり(12ヶ月 + Always Free)あり(90日間$300 + Always Free)
認定資格AWS認定(12種類)Google Cloud認定(11種類)

主要サービスの対応表

カテゴリAWSGCP
コンピュートEC2Compute Engine
サーバーレスLambdaCloud Functions
コンテナECS / EKSCloud Run / GKE
オブジェクトストレージS3Cloud Storage
RDBRDS / AuroraCloud SQL / AlloyDB
NoSQLDynamoDBFirestore / Bigtable
CDNCloudFrontCloud CDN
DNSRoute 53Cloud DNS
ML/AISageMakerVertex AI
データ分析Redshift / AthenaBigQuery
メッセージキューSQS / SNSPub/Sub
IaCCloudFormationDeployment Manager / Terraform
モニタリングCloudWatchCloud Monitoring

料金比較

コンピュート(同等スペック)

インスタンスAWS(EC2)GCP(Compute Engine)
2 vCPU / 8GBm6i.large $0.096/hn2-standard-2 $0.097/h
4 vCPU / 16GBm6i.xlarge $0.192/hn2-standard-4 $0.194/h
8 vCPU / 32GBm6i.2xlarge $0.384/hn2-standard-8 $0.388/h

オンデマンド料金はほぼ同等ですが、割引モデルが異なります。

割引モデルの比較

割引タイプAWSGCP
長期利用割引Reserved Instances(1年/3年)Committed Use Discounts(1年/3年)
自動割引継続利用割引(月25時間以上で自動適用、最大30%OFF)
スポット/プリエンプティブSpot Instances(最大90%OFF)Preemptible VMs(最大80%OFF)
Savings Plans

GCPの継続利用割引は、契約不要で月25時間以上使用すると自動的に最大30%割引になる点がユニークです。

ストレージ料金

サービスAWS(S3)GCP(Cloud Storage)
Standard$0.023/GB/月$0.020/GB/月
低頻度アクセス$0.0125/GB/月$0.010/GB/月
アーカイブ$0.004/GB/月(Glacier)$0.004/GB/月(Archive)
エグレス$0.09/GB(最初の10TB)$0.12/GB(最初のTB)

ストレージ単価はGCPがやや安いですが、データ転送(エグレス)料金はAWSの方が安い場合があります。

データ分析・BigQuery

GCPの最大の強みの一つがBigQueryです。

項目AWS(Redshift)GCP(BigQuery)
アーキテクチャクラスター型サーバーレス
初期セットアップクラスター作成が必要即座に利用可能
スケーリング手動/自動(Serverless対応あり)自動(完全サーバーレス)
料金モデル時間課金クエリ課金($5/TB)
無料枠1TB/月のクエリ無料
パフォーマンス

BigQueryはサーバーレスでペタバイト級のデータ分析が可能で、データ分析用途ではGCPが圧倒的に選ばれています。

AI/ML機能

機能AWSGCP
MLプラットフォームSageMakerVertex AI
事前学習モデルBedrock(Claude、Titan等)Gemini、PaLM
画像認識RekognitionVision AI
音声認識TranscribeSpeech-to-Text
自然言語処理ComprehendNatural Language AI
翻訳TranslateTranslation AI
AutoMLSageMaker AutopilotVertex AI AutoML
TPU×

AI/ML分野ではGCPがリードしています。特にTPU(Tensor Processing Unit)はGCP独自のAI専用チップで、大規模な機械学習トレーニングで圧倒的なパフォーマンスを発揮します。

Kubernetes(コンテナ)

項目AWS(EKS)GCP(GKE)
マネージドK8s
コントロールプレーン料金$0.10/h(約$73/月)無料(Autopilot)/ $0.10/h(Standard)
Autopilot◎(ノード管理不要)
Kubernetes新機能の対応◎(最速対応)
マルチクラスター◎(Anthos)

GKEはKubernetes発祥の地(Google)が提供するだけあり、K8s対応では業界最高水準です。GKE Autopilotはノード管理を完全に自動化し、開発者はPodだけに集中できます。

AWSのメリット・デメリット

メリット

  • 圧倒的なサービス数: 200以上のサービスであらゆる要件に対応
  • 市場シェア1位: エコシステム、人材、情報源が最も充実
  • 認定資格: 業界で最も認知度が高い資格制度
  • グローバル展開: 33リージョンで世界中をカバー
  • パートナーエコシステム: 数万のAPNパートナー
  • 日本語サポート: 日本法人あり、日本語サポートが充実

デメリット

  • 料金の複雑さ: サービスと料金モデルが多すぎて理解が困難
  • ベンダーロック: AWS固有のサービスへの依存度が高くなりがち
  • UI/UX: 管理コンソールが複雑
  • データ分析: BigQueryほどのサーバーレス分析がない(Athenaは代替)
  • AI/ML: GCPに比べると基盤技術では劣る部分がある

GCPのメリット・デメリット

メリット

  • BigQuery: サーバーレスデータ分析の決定版
  • AI/ML: Vertex AI、TPU、Geminiで業界最先端
  • GKE: Kubernetes対応が業界最強
  • ネットワーク: Googleのグローバルネットワークで低レイテンシ
  • 継続利用割引: 契約不要で自動割引
  • UIの使いやすさ: AWSに比べて管理コンソールが直感的

デメリット

  • サービス数: AWSより少ない
  • 市場シェア: 3位(AWS、Azureに次ぐ)
  • パートナー: AWSほどのエコシステムはない
  • 人材: AWS認定者に比べてGCP認定者が少ない
  • 企業サポート: AWSほどのエンタープライズ支援体制はない

ユースケース別おすすめ

スタートアップ

おすすめ: GCP — 無料クレジット$300、BigQueryの無料枠、GKE Autopilotが魅力

エンタープライズ

おすすめ: AWS — サービスの幅、パートナー、サポートが充実

データ分析・BI

おすすめ: GCP — BigQueryが圧倒的

AI/ML開発

おすすめ: GCP — Vertex AI、TPU、Geminiが強力

Webアプリ・SaaS

おすすめ: どちらも可 — 要件次第で選択

IoT

おすすめ: AWS — IoT Core等の専用サービスが充実

マルチクラウド戦略

大規模な組織ではAWSとGCPの併用も一般的です:

  • AWS: メインのWebアプリケーション基盤
  • GCP: データ分析(BigQuery)とAI/ML(Vertex AI)

それぞれの強みを活かしたマルチクラウド構成は、ベンダーロックを回避しつつ最適な技術を利用できます。

まとめ:結局どちらを選ぶべき?

重視するポイントおすすめ
サービスの幅AWS
データ分析GCP
AI/MLGCP
KubernetesGCP
エンタープライズAWS
パートナーAWS
料金のシンプルさGCP
人材の豊富さAWS

**「幅広いサービスとエコシステムならAWS、データ分析・AI・Kubernetesに注力するならGCP」**が結論です。


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