ボーナスの手取りは額面の約75〜85%
ボーナス(賞与)からは、毎月の給与と同じように社会保険料と所得税が天引きされます。ただし、住民税はボーナスからは引かれません。
一般的に、ボーナスの手取りは額面の**約75〜85%**が目安です。年収が高いほど所得税率が上がるため、手取り率は下がります。
ボーナスから引かれるもの一覧
| 項目 | 税率・保険料率 | 備考 |
|---|---|---|
| 健康保険料 | 約5%(会社と折半) | 協会けんぽの場合。組合により異なる |
| 厚生年金保険料 | 9.15%(会社と折半) | 2026年度の被保険者負担分 |
| 雇用保険料 | 0.6% | 2026年度の一般事業の場合 |
| 介護保険料 | 約0.8%(40歳以上) | 健康保険料に上乗せ |
| 所得税 | 前月の給与額と扶養人数で決定 | 「賞与に対する源泉徴収税額の算出率の表」を使用 |
| 住民税 | なし | ボーナスからは引かれない |
ボーナスの手取り計算手順
ステップ1:社会保険料を計算する
ボーナスの社会保険料は標準賞与額(賞与額の1,000円未満を切り捨て)に保険料率をかけて計算します。
社会保険料 = 標準賞与額 ×(健康保険料率 + 厚生年金保険料率 + 雇用保険料率)
ステップ2:所得税を計算する
ボーナスの所得税は、以下の手順で計算します。
- 前月の給与から社会保険料を差し引く
- 扶養親族等の数を確認する
- 「賞与に対する源泉徴収税額の算出率の表」で税率を求める
- (ボーナス額面 − 社会保険料)× 税率 で所得税額を算出
ステップ3:手取り額を計算する
手取り額 = ボーナス額面 − 社会保険料 − 所得税
具体的な計算例
ケース:額面50万円のボーナス(前月給与30万円、扶養なし、東京都)
ステップ1:社会保険料
| 項目 | 料率 | 金額 |
|---|---|---|
| 健康保険料(東京都・協会けんぽ) | 4.985% | 24,925円 |
| 厚生年金保険料 | 9.15% | 45,750円 |
| 雇用保険料 | 0.6% | 3,000円 |
| 社会保険料合計 | 73,675円 |
ステップ2:所得税
- 前月の給与30万円 − 社会保険料(約44,000円)= 約256,000円
- 扶養親族0人の場合、源泉徴収税率は6.126%
- (500,000円 − 73,675円)× 6.126% = 26,118円
ステップ3:手取り額
500,000円 − 73,675円 − 26,118円 = 400,207円(手取り率:約80%)
額面別のボーナス手取り早見表
前月給与30万円、扶養なし、40歳未満、東京都協会けんぽの場合の目安です。
| ボーナス額面 | 社会保険料 | 所得税 | 手取り額 | 手取り率 |
|---|---|---|---|---|
| 20万円 | 約29,500円 | 約10,400円 | 約160,100円 | 約80% |
| 30万円 | 約44,200円 | 約15,700円 | 約240,100円 | 約80% |
| 50万円 | 約73,700円 | 約26,100円 | 約400,200円 | 約80% |
| 80万円 | 約117,900円 | 約41,800円 | 約640,300円 | 約80% |
| 100万円 | 約147,400円 | 約52,200円 | 約800,400円 | 約80% |
| 150万円 | 約221,000円 | 約81,200円 | 約1,197,800円 | 約80% |
| 200万円 | 約294,700円 | 約126,400円 | 約1,578,900円 | 約79% |
※概算値です。前月給与や扶養人数、健康保険組合によって変わります。
前月の給与で所得税率が変わる
ボーナスの所得税は前月の給与額によって税率が変わります。これは月給が高い人ほどボーナスの所得税も高くなることを意味します。
前月給与別の源泉徴収税率(扶養なし)
| 前月給与(社保控除後) | 税率 |
|---|---|
| 〜68,000円 | 0% |
| 68,001〜79,000円 | 2.042% |
| 79,001〜252,000円 | 4.084% |
| 252,001〜300,000円 | 6.126% |
| 300,001〜334,000円 | 8.168% |
| 334,001〜363,000円 | 10.210% |
| 363,001〜395,000円 | 12.252% |
| 395,001〜426,000円 | 14.294% |
| 426,001〜550,000円 | 16.336% |
| 550,001〜833,000円 | 18.378% |
ボーナスの社会保険料に上限がある
賞与の社会保険料には上限があります。
| 保険 | 上限額 |
|---|---|
| 厚生年金保険 | 1回のボーナスにつき150万円 |
| 健康保険 | 年間(4月〜翌3月)の賞与合計573万円 |
例えば、1回のボーナスが200万円の場合、厚生年金保険料は150万円を基準に計算されます。超過分(50万円)には厚生年金保険料がかかりません。
ボーナスの手取りを増やす方法
1. iDeCo(個人型確定拠出年金)に加入する
iDeCoの掛金は所得控除の対象になるため、年末調整で所得税の還付が受けられます。ボーナスの税率を直接下げるわけではありませんが、年間の税負担が軽くなります。
2. ふるさと納税を活用する
ボーナスを含めた年収で控除上限額を計算し、ふるさと納税を行うことで、実質的な手取りを増やせます。
3. 扶養控除を正しく申告する
配偶者控除や扶養控除の申告が正しくないと、ボーナスの源泉徴収税率が高くなる場合があります。
4. 年金の受給開始を考慮した退職金の受け取り方
退職金とボーナスの合算で税金がかかることはありませんが、退職時の最終ボーナスは退職所得控除とは別に課税されます。
よくある質問(FAQ)
Q. ボーナスから住民税は引かれる?
引かれません。住民税は毎月の給与から天引きされます(特別徴収)。ボーナスの分も含めて、前年の所得に基づいて月割りで徴収されています。
Q. パート・アルバイトのボーナスにも社会保険料はかかる?
社会保険に加入している場合はかかります。ただし、社会保険の加入要件を満たしていないパート・アルバイトの場合は、所得税のみ天引きされます。
Q. ボーナスが前月の給与より多いと税金が変わる?
前月の給与の10倍を超えるボーナスの場合、通常の「賞与に対する源泉徴収税額の算出率の表」ではなく、特別な計算方法が適用されます。
Q. 育休中にボーナスが支給されたら?
育休中の社会保険料免除期間にボーナスが支給された場合、そのボーナスの社会保険料も免除になります(条件あり)。
まとめ
ボーナスの手取りは額面の**約75〜85%**が目安です。
- 社会保険料は約14.7%(40歳未満の場合)
- 所得税率は前月の給与と扶養人数で決まる
- 住民税はボーナスからは引かれない
- iDeCoやふるさと納税で節税効果を高められる
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