日本人は保険に入りすぎている
生命保険文化センターの調査によると、日本の世帯の約89%が何らかの生命保険に加入しています。1世帯あたりの年間保険料は平均37.1万円(月約3.1万円)です。
しかし、公的保障(健康保険・年金・高額療養費制度等)を正しく理解すれば、民間保険は最小限でOKというケースがほとんどです。
保険を見直すことで、年間10万円以上の節約が可能です。
見直し前に知っておくべき公的保障
高額療養費制度
医療費が高額になった場合、自己負担額に上限が設けられている制度です。
| 年収(70歳未満) | 自己負担上限(月額) |
|---|---|
| 約370万円以下 | 57,600円 |
| 約370〜770万円 | 約80,100円 + α |
| 約770〜1,160万円 | 約167,400円 + α |
| 約1,160万円超 | 約252,600円 + α |
例えば、年収500万円の人が100万円の手術を受けても、自己負担は約8万円で済みます。
傷病手当金
会社員が病気やケガで4日以上休んだ場合、給与の約2/3が最長1年6ヶ月支給されます。
遺族年金
一家の大黒柱が亡くなった場合、遺族基礎年金・遺族厚生年金が支給されます。
| 遺族の状況 | 年間受給額の目安 |
|---|---|
| 子供1人の配偶者 | 約130万円〜200万円 |
| 子供2人の配偶者 | 約150万円〜230万円 |
| 子供なしの配偶者(30歳以上) | 約40万円〜80万円 |
保険の種類別・見直しポイント
1. 生命保険(死亡保険)
必要な人
- 扶養家族(子供・専業主婦の配偶者等)がいる人
- 住宅ローンの団体信用生命保険に未加入の人
不要な可能性がある人
- 独身・子供なしの共働き夫婦
- 子供が独立した後の高齢者
- 十分な貯蓄がある人
見直しのポイント
| チェック項目 | 見直しのヒント |
|---|---|
| 保障額 | 遺族年金 + 貯蓄 で足りない分だけ |
| 保険の種類 | 掛け捨ての定期保険が最もコスパ◎ |
| 特約 | 不要な特約は外す |
| 保険期間 | 子供が独立するまでの期間で十分 |
節約例
| 見直し前 | 見直し後 | 年間節約額 |
|---|---|---|
| 終身保険(月15,000円) | 定期保険(月3,000円) | 144,000円 |
2. 医療保険
本当に必要か考える
高額療養費制度がある日本では、医療保険の必要性は低いケースが多いです。
医療保険が不要な人の条件:
- 貯蓄が200万円以上ある
- 会社員で傷病手当金が受けられる
- 付加給付(健保組合独自の上乗せ)がある
医療保険があった方がいい人の条件:
- 貯蓄が少ない
- 自営業者(傷病手当金がない)
- 家族に持病がある
見直しのポイント
| チェック項目 | 見直しのヒント |
|---|---|
| 入院日額 | 5,000円あれば十分(高額療養費を考慮) |
| 入院日数制限 | 60日型で十分(平均入院日数は約30日) |
| 先進医療特約 | 月100〜200円で付帯できるので検討 |
| がん特約 | がんに不安がある方は検討 |
節約例
| 見直し前 | 見直し後 | 年間節約額 |
|---|---|---|
| 医療保険(月5,000円) | 解約(貯蓄で備える) | 60,000円 |
| 医療保険(月5,000円) | 日額5,000円の最小プラン(月1,500円) | 42,000円 |
3. がん保険
がん保険は医療保険とは別に検討すべき保険です。がんの治療費は長期化するケースがあり、自由診療を希望する場合は高額になります。
| 検討ポイント | 内容 |
|---|---|
| 診断一時金 | 100万円あると安心 |
| 通院保障 | 抗がん剤治療は通院が多い |
| 先進医療 | 粒子線治療等は300万円前後 |
4. 自動車保険
自動車保険は年間5〜10万円の保険料がかかるため、見直し効果が大きいです。
見直しのポイント
| チェック項目 | 見直しのヒント |
|---|---|
| 車両保険 | 古い車なら外しても◎ |
| 運転者限定 | 本人限定にすると割引 |
| 年齢条件 | 26歳以上・30歳以上で割引 |
| 免責金額 | 5万円・10万円に設定で保険料ダウン |
| ダイレクト型 | 代理店型から切り替えで2〜3割安くなる |
節約例
| 見直し前 | 見直し後 | 年間節約額 |
|---|---|---|
| 代理店型・車両保険あり(年80,000円) | ダイレクト型・車両保険なし(年35,000円) | 45,000円 |
年間10万円節約するモデルケース
30代・夫婦・子供1人の場合
| 保険 | 見直し前(月額) | 見直し後(月額) | 年間節約 |
|---|---|---|---|
| 夫の生命保険 | 15,000円 | 4,000円 | 132,000円 |
| 妻の医療保険 | 4,000円 | 1,500円 | 30,000円 |
| 自動車保険 | 7,000円 | 3,500円 | 42,000円 |
| 合計 | 26,000円 | 9,000円 | 204,000円 |
保険見直しの手順
ステップ1:現在の保険を棚卸しする
加入中の保険をすべてリストアップします。
- 保険の種類
- 月額保険料
- 保障内容(保障額、入院日額等)
- 保険期間
- 特約の内容
ステップ2:必要な保障額を計算する
公的保障(遺族年金、高額療養費等)と貯蓄を考慮して、不足分だけを保険でカバーします。
ステップ3:不要な保険を解約・減額する
- 不要な特約を外す
- 保障額を適正な額に減額する
- 重複している保険を解約する
ステップ4:より安い保険に乗り換える
- ネット型保険(ライフネット生命、チューリッヒ等)は保険料が安い
- 一括比較サイトで相見積もりを取る
保険を見直すタイミング
| ライフイベント | 見直しポイント |
|---|---|
| 結婚 | 配偶者の保障を追加検討 |
| 出産 | 死亡保障の増額を検討 |
| マイホーム購入 | 団信があれば死亡保障を減額 |
| 子供の独立 | 死亡保障を大幅に減額 |
| 転職 | 健保の保障内容が変わる |
| 定年退職 | 不要な保険を整理 |
よくある質問(FAQ)
Q. 保険を解約したら損する?
掛け捨て型は解約返戻金がないため損はしません。貯蓄型(終身保険等)は解約時期によっては元本割れする場合がありますが、残りの保険料を払い続けるより解約した方が得なケースも多いです。
Q. 保険料控除のために保険に入るのはお得?
生命保険料控除による節税額は最大で年間約12,000円(所得税率20%の場合)です。節税のためだけに不要な保険に入るのは本末転倒です。
Q. 持病があっても保険に入れる?
「引受基準緩和型」や「無選択型」の保険であれば加入できます。ただし、保険料は通常より高めです。
まとめ
保険の見直しは、家計の固定費削減で最も効果が大きい項目の一つです。
- 公的保障をまず理解する
- 不要な保険・特約は思い切って見直す
- ネット型保険で保険料を抑える
- ライフイベントごとに定期的に見直す
- 年間10〜20万円の節約は十分に実現可能
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