GitHubとGitLabの基本的な違い
GitHubとGitLabはどちらもGitベースのコード管理プラットフォームですが、その思想は大きく異なります。
GitHubはソーシャルコーディングの文化を築き上げたプラットフォームです。オープンソースコミュニティの中心地として、世界中の開発者が集まる場所になっています。2018年にMicrosoftに買収されて以降、GitHub ActionsやCopilotなどの機能を急速に拡充しています。
GitLabは「DevSecOpsプラットフォーム」を標榜し、計画からデプロイ、モニタリングまでを1つのツールで完結させることを目指しています。オープンソース版(CE)とエンタープライズ版(EE)があり、セルフホスティングが可能な点も大きな特徴です。
機能比較表
| 項目 | GitHub | GitLab |
|---|---|---|
| 無料プランのプライベートリポジトリ | 無制限 | 無制限 |
| CI/CD | GitHub Actions | GitLab CI/CD(組込み) |
| 無料CI/CD時間 | 2,000分/月 | 400分/月 |
| コンテナレジストリ | GitHub Packages | 組込み |
| セキュリティスキャン | Advanced Security(有料) | Ultimate(有料)/ 一部無料 |
| プロジェクト管理 | Projects / Issues | Boards / Issues / Epics |
| コードレビュー | Pull Request | Merge Request |
| セルフホスト | GitHub Enterprise Server | GitLab CE/EE |
| Wiki | あり | あり |
| AI機能 | Copilot | Duo |
| ページホスティング | GitHub Pages | GitLab Pages |
料金プラン比較
GitHub
| プラン | 月額(ユーザーあたり) | 主な機能 |
|---|---|---|
| Free | $0 | パブリック/プライベートリポジトリ無制限、Actions 2,000分 |
| Team | $4 | コードオーナー、必須レビュー、3,000 Actions分 |
| Enterprise | $21 | SAML SSO、Advanced Security、50,000 Actions分 |
GitLab
| プラン | 月額(ユーザーあたり) | 主な機能 |
|---|---|---|
| Free | $0 | 5GBストレージ、CI/CD 400分、5ユーザーまで |
| Premium | $29 | マージリクエスト承認、10,000 CI/CD分 |
| Ultimate | $99 | セキュリティダッシュボード、50,000 CI/CD分、コンプライアンス管理 |
ポイント: GitHubは無料プランが充実しており、小〜中規模チームならTeamプラン($4/月)でほぼ十分です。GitLabは無料プランの制限が厳しく(5ユーザーまで)、チーム利用ではPremium以上がほぼ必須です。
CI/CDの比較
GitHub Actions
- YAMLベースのワークフロー定義
- GitHub Marketplaceに数万のアクション
- マトリックスビルド対応
- セルフホストランナー対応
- 無料枠が2,000分/月と比較的多い
# .github/workflows/ci.yml
name: CI
on: [push, pull_request]
jobs:
test:
runs-on: ubuntu-latest
steps:
- uses: actions/checkout@v4
- uses: actions/setup-node@v4
- run: npm ci && npm test
GitLab CI/CD
.gitlab-ci.ymlで定義- パイプライン可視化が優秀
- Auto DevOps(自動CI/CD設定)
- 環境別デプロイ管理
- マージリクエストとの統合が深い
# .gitlab-ci.yml
stages:
- test
- deploy
test:
stage: test
image: node:20
script:
- npm ci
- npm test
結論: CI/CDの機能面ではGitLabが先行していましたが、GitHub Actionsのエコシステムが急成長し、現在はほぼ互角です。GitLabはパイプライン可視化やAuto DevOpsが魅力。GitHubはアクションの豊富さとコミュニティが強みです。
セキュリティ機能
| 機能 | GitHub | GitLab |
|---|---|---|
| 依存関係スキャン | Dependabot(無料) | Dependency Scanning(Ultimate) |
| シークレットスキャン | あり(無料/Push Protection有料) | あり(Ultimate) |
| SAST(静的解析) | CodeQL(Advanced Security) | SAST(Ultimate) |
| DAST(動的解析) | なし(サードパーティ) | あり(Ultimate) |
| コンテナスキャン | なし(サードパーティ) | あり(Ultimate) |
| ファジング | なし | あり(Ultimate) |
GitLabはUltimateプランでセキュリティ機能が非常に充実しています。一方、GitHubはDependabotが無料で使える点が強みです。
こんな人・チームにおすすめ
GitHubがおすすめ
- オープンソースプロジェクト: 事実上の標準。コミュニティが圧倒的に大きい
- 個人開発者: 無料プランが最も使いやすい
- スタートアップ: Copilot連携、Actionsの豊富なエコシステム
- AI開発: CopilotやModelsとの統合が深い
- 求人/ポートフォリオ: GitHubプロフィールは事実上の開発者履歴書
GitLabがおすすめ
- セルフホスティングが必要: オンプレミス環境でGitLab CE/EEを運用可能
- DevSecOpsを重視: セキュリティスキャンを開発フローに組み込みたい
- 大規模エンタープライズ: コンプライアンス管理、監査ログが充実
- オールインワンを求める: CI/CD、レジストリ、モニタリングまで1つで完結
- 中国市場: GitLabは中国リージョンに対応(JiHu GitLab)
メリット・デメリット
GitHub
メリット
- 世界最大の開発者コミュニティ
- Copilotによる AI支援開発
- 無料プランの充実(Actions 2,000分)
- Marketplaceのエコシステム
デメリット
- セキュリティ機能の多くが有料
- プロジェクト管理機能がやや弱い
- Microsoft依存への懸念
GitLab
メリット
- DevSecOpsの完全な統合
- セルフホスティング可能
- パイプライン可視化が優秀
- オープンソースコア
デメリット
- 無料プランの制限が厳しい(5ユーザー)
- UIがやや複雑
- コミュニティサイズがGitHubに劣る
- 有料プランが高額(Ultimateは$99/ユーザー/月)
結論:どちらを選ぶべき?
多くの開発者・チームにはGitHubがおすすめです。コミュニティの大きさ、Copilotの生産性向上、無料プランの充実度を考えると、特別な理由がない限りGitHubを選ぶのが無難です。
GitLabを選ぶべきケースは明確です。セルフホスティングが必須要件の場合、セキュリティスキャンを開発フローに深く統合したい場合、そして1つのプラットフォームで計画からデプロイまで完結させたい場合です。
なお、両方を使い分けるチームも少なくありません。オープンソースプロジェクトはGitHub、社内プロジェクトはGitLab CE(セルフホスト)という組み合わせは合理的です。
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