社会保険料の種類と概要
会社員が毎月給与から天引きされる社会保険料は4種類です。
| 保険の種類 | 保険料率(2026年) | 自己負担 | 会社負担 |
|---|---|---|---|
| 健康保険 | 約9.98〜11.9%(都道府県・組合により異なる) | 約半分 | 約半分 |
| 厚生年金 | 18.3% | 9.15% | 9.15% |
| 雇用保険 | 1.55%(一般事業) | 0.6% | 0.95% |
| 介護保険 | 1.82%(40〜64歳のみ) | 0.91% | 0.91% |
健康保険料の計算方法
健康保険料は標準報酬月額に保険料率をかけて計算します。
標準報酬月額とは
4月・5月・6月の平均月収(基本給+各種手当)を基に算出される「報酬月額」を等級に当てはめた額です。
標準報酬月額等級表(一部):
| 等級 | 標準報酬月額 | 月収目安 |
|---|---|---|
| 1 | 58,000円 | 〜63,000円未満 |
| 4 | 88,000円 | 83,000〜101,000円 |
| 8 | 150,000円 | 135,000〜165,000円 |
| 14 | 240,000円 | 225,000〜255,000円 |
| 20 | 320,000円 | 305,000〜335,000円 |
| 28 | 500,000円 | 475,000〜545,000円 |
| 32 | 650,000円 | 605,000〜 |
計算式
健康保険料(自己負担)= 標準報酬月額 × 保険料率 ÷ 2
例: 月収30万円(標準報酬月額30万円)、東京都の協会けんぽ(保険料率9.98%)の場合
健康保険料(月額) = 300,000円 × 9.98% ÷ 2 = 14,970円
都道府県別の保険料率(協会けんぽ、2026年)
| 都道府県 | 保険料率 | 自己負担(月収30万円の場合) |
|---|---|---|
| 北海道 | 10.21% | 15,315円 |
| 東京 | 9.98% | 14,970円 |
| 神奈川 | 10.02% | 15,030円 |
| 大阪 | 10.29% | 15,435円 |
| 沖縄 | 9.45% | 14,175円 |
厚生年金保険料の計算方法
厚生年金は健康保険と同様に標準報酬月額ベース。
厚生年金保険料(自己負担)= 標準報酬月額 × 9.15%
例: 標準報酬月額30万円の場合
厚生年金(月額) = 300,000 × 9.15% = 27,450円
雇用保険料の計算方法
雇用保険は**実際の賃金(総支給額)**に保険料率をかけます(標準報酬月額ではない点に注意)。
雇用保険料(自己負担)= 総支給額 × 0.6%
例: 総支給額30万円の場合
雇用保険(月額) = 300,000 × 0.6% = 1,800円
介護保険料(40〜64歳)
40歳になると介護保険料の徴収が始まります。
介護保険料(自己負担)= 標準報酬月額 × 0.91%
例: 標準報酬月額30万円の場合
介護保険(月額) = 300,000 × 0.91% = 2,730円
月収別の社会保険料試算
(東京都、40歳以上、協会けんぽ)
| 月収 | 健康保険 | 厚生年金 | 雇用保険 | 介護保険 | 合計 |
|---|---|---|---|---|---|
| 20万円 | 9,980円 | 18,300円 | 1,200円 | 1,820円 | 31,300円 |
| 25万円 | 12,475円 | 22,875円 | 1,500円 | 2,275円 | 39,125円 |
| 30万円 | 14,970円 | 27,450円 | 1,800円 | 2,730円 | 46,950円 |
| 40万円 | 19,960円 | 36,600円 | 2,400円 | 3,640円 | 62,600円 |
| 50万円 | 24,950円 | 45,750円 | 3,000円 | 4,550円 | 78,250円 |
パート・アルバイトの社会保険加入条件
パートタイムでも一定条件を超えると社会保険に加入が必要です。
加入が必要な条件(2024年10月改正後)
| 条件 | 基準 |
|---|---|
| 週所定労働時間 | 20時間以上 |
| 月額賃金 | 8.8万円以上(年収106万円以上) |
| 雇用期間 | 2ヶ月超見込み |
| 従業員数 | 101人以上の企業(2024年10月〜は51人以上) |
※上記全ての条件を満たす場合に社会保険加入が必要
収入の壁
| 年収ライン | 内容 |
|---|---|
| 103万円の壁 | 所得税が発生するライン(配偶者控除の基準) |
| 106万円の壁 | 大企業パートで社会保険加入が必要になるライン |
| 130万円の壁 | 配偶者の扶養から外れ、自分で社会保険加入が必要なライン |
| 150万円の壁 | 配偶者特別控除の満額(38万円)が受けられる上限 |
130万円の壁が最も注意が必要。年収130万円を超えると月々の社会保険料が約2〜4万円発生し、手取りが逆転することがあります。
自営業者の社会保険(国民健康保険・国民年金)
会社員と違い、自営業者は社会保険ではなく国民健康保険と国民年金に加入します。
国民健康保険料
市区町村により計算方法が異なりますが、概ね以下の要素から算出:
- 所得割: 前年の所得 × 所得割率(7〜10%程度)
- 均等割: 1人あたり固定額(2〜6万円程度)
- 平等割: 世帯あたり固定額
会社員と比べると会社負担分がなく、全額自己負担になるため月額が2倍程度になることも。
国民年金保険料
月額16,980円(2026年度)の固定額。会社員の厚生年金(27,450円/月・月収30万円の場合)より安いですが、将来の受取額も少なくなります。
社会保険料の節税方法
会社員向け
- iDeCo掛金: 全額所得控除(ただし社会保険料には影響なし)
- 住宅ローン控除: 所得税から控除(社会保険料には影響なし)
注意: 社会保険料は標準報酬月額ベースのため、所得控除では減らせません。標準報酬月額自体を下げる必要があります。
自営業者向け
- 国民年金保険料の全額所得控除を申告する
- 国民健康保険料の所得控除を申告する
- iDeCo(最大月6.8万円)で所得を圧縮
年金はいくらもらえる?
会社員(厚生年金加入者)の受取額は会社員期間の報酬と加入年数によって変わります。詳しくは年金いくらもらえるシミュレーションを参照してください。
年収別の手取り額シミュレーションはタスカリの手取り計算ツールでご確認ください。