社会保険料とは

社会保険料は、会社員の給与から毎月天引きされる保険料です。主に4つの保険で構成されており、手取り額を大きく左右します。

保険の種類目的負担割合
健康保険医療費の自己負担を軽減会社と折半
厚生年金保険老後の年金を受け取る会社と折半
雇用保険失業時の給付会社が多く負担
介護保険(40歳以上)介護サービスの利用会社と折半

会社員の社会保険料の自己負担は、額面給与の約**14〜15%**です。

標準報酬月額とは

健康保険と厚生年金保険の保険料は、標準報酬月額という金額を基に計算されます。実際の給与額そのものではなく、等級(区分)ごとに定められた金額です。

標準報酬月額の決定方法

決定のタイミング対象算定方法
資格取得時入社時入社時の給与見込み額
定時決定(算定基礎届)毎年7月4〜6月の平均給与(通勤手当含む)
随時改定(月額変更届)大幅な変動時固定的賃金が2等級以上変動した場合

注意:4〜6月の残業が社会保険料に影響する

標準報酬月額は4〜6月の給与(残業代含む)の平均で決まります。この時期に残業が多いと標準報酬月額が上がり、7月から1年間の社会保険料が高くなる可能性があります。

健康保険料の計算

計算式

健康保険料 = 標準報酬月額 × 健康保険料率 ÷ 2(会社と折半)

保険料率(協会けんぽの場合)

保険料率は都道府県ごとに異なります。2026年度の主な地域の料率は以下のとおりです。

都道府県保険料率自己負担率
北海道10.29%5.145%
東京9.97%4.985%
愛知10.02%5.010%
大阪10.34%5.170%
福岡10.36%5.180%

※上記は参考値です。最新の保険料率は協会けんぽのサイトで確認してください。

計算例(東京都の場合)

標準報酬月額が30万円の場合:

  • 健康保険料 = 300,000円 × 9.97% ÷ 2 = 14,955円/月

厚生年金保険料の計算

計算式

厚生年金保険料 = 標準報酬月額 × 18.3% ÷ 2(会社と折半)

厚生年金保険料率は全国一律**18.3%**です。

計算例

標準報酬月額が30万円の場合:

  • 厚生年金保険料 = 300,000円 × 18.3% ÷ 2 = 27,450円/月

厚生年金の上限

標準報酬月額の上限は65万円(32等級)です。月収が65万円を超えても、厚生年金保険料は65万円をベースに計算されます。

  • 上限の保険料 = 650,000円 × 18.3% ÷ 2 = 59,475円/月

雇用保険料の計算

計算式

雇用保険料 = 毎月の総支給額 × 雇用保険料率

雇用保険は標準報酬月額ではなく、その月の実際の総支給額で計算されます。

保険料率(2026年度)

事業の種類労働者負担事業主負担合計
一般の事業0.6%0.95%1.55%
農林水産・清酒製造0.7%1.05%1.75%
建設の事業0.7%1.15%1.85%

計算例

月給30万円の場合(一般の事業):

  • 雇用保険料 = 300,000円 × 0.6% = 1,800円/月

介護保険料の計算

40歳以上65歳未満の方(第2号被保険者)は、健康保険料に上乗せして介護保険料を支払います。

計算式

介護保険料 = 標準報酬月額 × 介護保険料率 ÷ 2

保険料率

2026年度の協会けんぽの介護保険料率は1.60%(全国一律)です。

計算例

標準報酬月額が30万円の場合:

  • 介護保険料 = 300,000円 × 1.60% ÷ 2 = 2,400円/月

社会保険料の合計

40歳未満(東京都・協会けんぽ)

標準報酬月額30万円の場合:

保険月額
健康保険料14,955円
厚生年金保険料27,450円
雇用保険料1,800円
合計44,205円

自己負担率:約14.7%

40歳以上(東京都・協会けんぽ)

標準報酬月額30万円の場合:

保険月額
健康保険料14,955円
介護保険料2,400円
厚生年金保険料27,450円
雇用保険料1,800円
合計46,605円

自己負担率:約15.5%

年収別の社会保険料早見表

40歳未満、東京都、協会けんぽ、賞与なしの場合の概算です。

月収(標準報酬月額)年収健康保険厚生年金雇用保険月額合計年間合計
20万円240万円9,970円18,300円1,200円29,470円353,640円
25万円300万円12,463円22,875円1,500円36,838円442,050円
30万円360万円14,955円27,450円1,800円44,205円530,460円
35万円420万円17,448円32,025円2,100円51,573円618,870円
40万円480万円19,940円36,600円2,400円58,940円707,280円
50万円600万円24,925円45,750円3,000円73,675円884,100円
60万円720万円29,910円54,900円3,600円88,410円1,060,920円

社会保険料を下げる方法

1. 4〜6月の残業を減らす

標準報酬月額は4〜6月の給与で決まるため、この時期の残業を減らすと社会保険料が下がる可能性があります。

2. 交通費を見直す

通勤手当は標準報酬月額に含まれます。自転車通勤に切り替えて通勤手当がなくなれば、その分社会保険料が下がります。

3. 確定拠出年金(企業型DC)の活用

企業型DCの掛金は社会保険料の算定基礎に含まれないため、掛金を増やすと社会保険料が減ることがあります(選択制DCの場合)。

注意:社会保険料を下げすぎないこと

社会保険料を下げすぎると、将来の厚生年金受給額傷病手当金の額も減ります。トータルで考えることが重要です。

社会保険料の控除と節税効果

支払った社会保険料は全額が社会保険料控除として所得から差し引かれます。年末調整で自動的に処理されるため、追加の手続きは不要です。

よくある質問(FAQ)

Q. パートでも社会保険に加入する必要がある?

以下の条件を満たすパート・アルバイトは社会保険に加入する必要があります。

  • 従業員51人以上の企業で勤務
  • 週20時間以上勤務
  • 月額賃金8.8万円以上
  • 2ヶ月超の雇用見込み
  • 学生ではない

Q. 社会保険料は毎月変わる?

健康保険料と厚生年金保険料は標準報酬月額が変わらない限り毎月同額です。雇用保険料のみ、残業代等で毎月変動します。

Q. 退職後の社会保険料は?

退職後は国民健康保険(または任意継続)と国民年金に切り替わります。任意継続は退職前の保険料の全額(会社負担分も自己負担)を最長2年間支払います。

Q. 扶養に入ると社会保険料はどうなる?

配偶者の扶養に入ると(年収130万円未満)、健康保険料と年金保険料の自己負担がなくなります。

まとめ

社会保険料は給与の約14〜15%を占める大きな支出です。

  • 健康保険料:約5%(地域差あり)
  • 厚生年金保険料:9.15%(全国一律)
  • 雇用保険料:0.6%
  • 介護保険料:0.8%(40歳以上)
  • 4〜6月の給与で1年間の保険料が決まる
  • 社会保険料控除で全額所得控除の対象

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