勤怠表とは — 何を記録するのか

勤怠表(出勤簿・タイムシート)は、従業員の出退勤時間、労働時間、休暇取得状況を記録する書類です。労働基準法により、事業主には従業員の労働時間を適正に把握する義務があります。

2019年4月の働き方改革関連法の施行以降、労働時間の客観的な記録がより厳しく求められるようになりました。

勤怠表が必要な理由

  • 法律上の義務: 労働基準法第109条により、出勤簿は3年間の保存義務がある
  • 給与計算の基礎: 勤怠データをもとに給与・残業代を計算する
  • 36協定の遵守確認: 時間外労働が上限を超えていないか管理する
  • 有給休暇の管理: 年5日の取得義務(2019年〜)の確認

勤怠表に記載すべき項目

基本項目

項目内容備考
従業員名氏名
所属部署部署・チーム名
対象期間月度(例: 2026年3月)
日付各日の日付と曜日土日祝の色分けがあると見やすい
出勤時刻実際に業務を開始した時刻
退勤時刻実際に業務を終了した時刻
休憩時間取得した休憩の時間数
実労働時間退勤 − 出勤 − 休憩自動計算が望ましい
区分出勤・有給・欠勤・遅刻・早退等

あると便利な項目

  • 時間外労働時間: 所定労働時間を超えた分
  • 深夜労働時間: 22時〜5時の労働時間
  • 休日労働時間: 法定休日に働いた時間
  • 累計労働時間: 月初からの累計
  • 有給休暇残日数: 消化状況の管理
  • 備考欄: 外出・直行直帰・在宅勤務等のメモ

勤怠表の作り方 — 3つの方法

方法1: Excelで自作する

Excelで勤怠表を作る場合のポイントです。

メリット:

  • カスタマイズが自由
  • 追加費用なし

デメリット:

  • 数式やマクロの知識が必要
  • 年度ごとに更新が必要
  • 入力ミスが起きやすい

Excelで作る場合の注意点:

  • 時間計算は TEXT(B2-A2-C2, "h:mm") のような書式設定が必要
  • 24時間を超える計算は [h]:mm 形式を使う
  • 日をまたぐ勤務は IF(退勤<出勤, 退勤+1-出勤, 退勤-出勤) で対応

方法2: クラウド勤怠管理システムを使う

freee人事労務、ジョブカン、KING OF TIMEなどのクラウドサービスを使う方法です。

メリット:

  • リアルタイムで集計できる
  • 法改正に自動対応
  • 給与計算ソフトと連携可能

デメリット:

  • 月額費用がかかる(1人200〜500円/月)
  • 小規模事業者にはオーバースペックな場合も

方法3: ブラウザ完結のテンプレートを使う

Excelを持っていない方や、シンプルな勤怠管理で十分な方には、ブラウザ完結のテンプレートが便利です。

kitly.me の勤怠表作成ツール なら、ブラウザ上で勤怠表を作成・印刷できます。出退勤時刻を入力すれば労働時間が自動計算され、PDFで出力可能です。データはサーバーに送信されないため、従業員情報のセキュリティも安心です。

労働基準法で押さえるべきポイント

法定労働時間

1日8時間、週40時間が原則です。これを超える労働は「時間外労働」として割増賃金の対象となります。

労働の種類割増率
時間外労働(月60時間以内)25%以上
時間外労働(月60時間超)50%以上
休日労働(法定休日)35%以上
深夜労働(22時〜5時)25%以上
時間外+深夜50%以上

休憩時間のルール

  • 労働時間が6時間超 → 45分以上の休憩
  • 労働時間が8時間超 → 60分以上の休憩

休憩時間は労働時間に含まれないため、勤怠表では明確に区別して記録する必要があります。

36協定と残業上限

2019年4月以降、時間外労働には法律上の上限が設けられています。

  • 原則: 月45時間・年360時間
  • 特別条項付き: 年720時間以内、月100時間未満(休日労働含む)

勤怠表を正しく記録しておけば、この上限に近づいている従業員を早期に把握できます。

勤怠表の記入ルール — 管理者が決めておくこと

1. 記入のタイミング

出退勤時にリアルタイムで記入するのが原則です。後からまとめて記入する「後付け」は、労働時間の正確な把握とは言えず、労基署の調査で問題になることがあります。

2. 修正のルール

記入ミスがあった場合の修正方法を決めておきましょう。

  • 修正前の記録を残す(二重線+訂正印、または変更履歴)
  • 上長の承認を経て修正する
  • 修正理由を備考欄に記載する

3. 承認フロー

月末に従業員が勤怠表を確定し、上長が確認・承認する流れを決めておきましょう。承認済みの勤怠表をもとに給与計算を行います。

保存期間と保存方法

保存期間

勤怠表(出勤簿)の保存期間は以下の通りです。

  • 労働基準法: 3年間(最後の記入日から起算)
  • 2020年改正: 5年間に延長(当面は3年の経過措置)

将来的に5年に延長されることを見据えて、5年間保存しておくのが安全です。

保存方法

紙の場合はファイリングして保管、電子データの場合はバックアップを含めて管理します。電子帳簿保存法の要件を満たせば、電子データのみでの保存も認められています。

よくある質問

Q. パート・アルバイトにも勤怠表は必要?

はい。雇用形態に関わらず、すべての従業員の労働時間を記録する義務があります。

Q. テレワーク(在宅勤務)の場合は?

テレワークでも勤怠管理は必要です。勤務の開始・終了をメールやチャットで報告し、勤怠表に記録する方法が一般的です。

Q. フレックスタイム制の場合は?

フレックスタイム制でも日々の労働時間を記録します。精算期間(通常1ヶ月)の総労働時間が所定労働時間を超えた分が残業となります。

まとめ

勤怠表は法律で求められる重要な書類であると同時に、適切な労務管理の基盤です。記載すべき項目を漏れなく記録し、法定の保存期間を守りましょう。

Excelでの自作が難しい場合は、ブラウザ完結のテンプレートやクラウドサービスを活用して、正確で効率的な勤怠管理を実現しましょう。

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