住宅ローン控除とは
住宅ローン控除(正式名称:住宅借入金等特別控除)は、住宅ローンを利用してマイホームを購入・建築・リフォームした場合に、年末のローン残高の0.7%が所得税から直接控除される制度です。
「所得控除」ではなく**「税額控除」**なので、計算した税額から直接差し引かれます。節税効果が非常に大きい制度です。
住宅ローン控除の概要(2024年〜2025年入居)
| 項目 | 認定住宅 | ZEH水準 | 省エネ基準適合 | その他の住宅 |
|---|---|---|---|---|
| 借入限度額(新築) | 4,500万円 | 3,500万円 | 3,000万円 | 2,000万円 |
| 借入限度額(中古) | 3,000万円 | 3,000万円 | 3,000万円 | 2,000万円 |
| 控除率 | 0.7% | 0.7% | 0.7% | 0.7% |
| 控除期間(新築) | 13年 | 13年 | 13年 | 13年 |
| 控除期間(中古) | 10年 | 10年 | 10年 | 10年 |
| 年間最大控除額 | 31.5万円 | 24.5万円 | 21万円 | 14万円 |
| 13年間の最大控除額 | 409.5万円 | 318.5万円 | 273万円 | 182万円 |
※2026年以降の入居は最新の税制改正情報を確認してください。
適用条件
住宅ローン控除を受けるための主な条件は以下のとおりです。
本人に関する条件
| 条件 | 内容 |
|---|---|
| 合計所得金額 | 2,000万円以下 |
| 居住の要件 | 取得後6ヶ月以内に入居し、適用年の12月31日まで居住 |
| ローンの返済期間 | 10年以上 |
| 他の控除との併用 | 3,000万円特別控除等との併用不可 |
住宅に関する条件
| 条件 | 内容 |
|---|---|
| 床面積 | 50㎡以上(所得1,000万円以下なら40㎡以上) |
| 居住用割合 | 床面積の1/2以上が自己の居住用 |
| 耐震性能 | 1982年以降の建築、または耐震基準適合証明あり |
控除額の計算方法
基本の計算式
住宅ローン控除額 = 年末ローン残高(上限あり)× 0.7%
計算例
条件:
- 省エネ基準適合住宅(新築)
- 借入額:3,500万円
- 年末ローン残高:3,400万円
控除額:
- 借入限度額:3,000万円(省エネ基準適合住宅の上限)
- 3,000万円 × 0.7% = 21万円(年間最大控除額)
年末残高が3,400万円でも、借入限度額の3,000万円が上限となります。
13年間の控除額シミュレーション
借入額3,000万円、金利1.0%、35年返済の場合:
| 年数 | 年末残高 | 控除額 |
|---|---|---|
| 1年目 | 約2,920万円 | 約20.4万円 |
| 2年目 | 約2,840万円 | 約19.9万円 |
| 3年目 | 約2,758万円 | 約19.3万円 |
| 5年目 | 約2,590万円 | 約18.1万円 |
| 7年目 | 約2,416万円 | 約16.9万円 |
| 10年目 | 約2,146万円 | 約15.0万円 |
| 13年目 | 約1,858万円 | 約13.0万円 |
| 合計 | 約224万円 |
所得税から引ききれない場合
住宅ローン控除額が所得税額を超える場合、超えた分は住民税から控除されます。
ただし、住民税からの控除には上限があります。
住民税からの控除上限 = 課税総所得金額 × 5%(最大97,500円)
計算例
| 項目 | 金額 |
|---|---|
| 住宅ローン控除額 | 21万円 |
| 所得税額 | 12万円 |
| 所得税から控除 | 12万円 |
| 住民税から控除 | 9万円(上限97,500円以内) |
| 実際の控除額合計 | 21万円 |
確定申告の手順(初年度)
住宅ローン控除を受ける初年度は確定申告が必要です。2年目以降は年末調整で受けられます。
必要書類
| 書類 | 入手先 |
|---|---|
| 確定申告書 | 国税庁サイト |
| 住宅借入金等特別控除額の計算明細書 | 国税庁サイト |
| 源泉徴収票 | 勤務先 |
| 住宅ローンの残高証明書 | 金融機関 |
| 登記事項証明書 | 法務局 |
| 不動産売買契約書のコピー | 手元に保管 |
| 住宅の省エネ基準適合証明書等 | 建築会社・不動産会社 |
| マイナンバーカード | — |
申告手順
- 国税庁の確定申告書等作成コーナーにアクセス
- 「住宅借入金等特別控除」を選択
- 住宅の取得年月日、面積、取得対価を入力
- ローン残高を入力
- 源泉徴収票の内容を入力
- e-Taxで送信(または印刷して税務署に提出)
2年目以降
会社の年末調整で控除を受けられます。以下の書類を会社に提出するだけです。
- 住宅借入金等特別控除申告書(税務署から届く)
- 残高証明書(金融機関から届く)
住宅ローン控除の注意点
1. 繰上返済で控除額が減る
繰上返済でローン残高が減ると、控除額も減ります。控除期間中の繰上返済は慎重に検討しましょう。
2. 返済期間が10年未満になると控除を受けられない
繰上返済でローンの返済期間が10年未満になると、住宅ローン控除の適用を受けられなくなります。
3. 転勤で居住しなくなった場合
単身赴任で家族が引き続き住んでいる場合は控除を受けられます。家族も一緒に転居した場合は、転居中は控除を受けられません(再入居時に再開可能)。
4. 夫婦でのローンの場合
ペアローンの場合、夫婦それぞれが住宅ローン控除を受けられます。連帯債務の場合は持分割合に応じて控除額を按分します。
繰上返済と住宅ローン控除のバランス
繰上返済と控除のどちらが得か
| ローン金利 | 判断の目安 |
|---|---|
| 0.5%未満 | 控除率0.7%を下回るため、繰上返済しない方が得 |
| 0.5〜0.7% | 運用次第。急がなくてOK |
| 0.7%以上 | 繰上返済を検討。控除額より利息が多い |
| 1.0%以上 | 積極的に繰上返済した方が得 |
よくある質問(FAQ)
Q. 住宅ローン控除とふるさと納税は併用できる?
はい、併用できます。ただし、住宅ローン控除で所得税・住民税が大幅に減る場合、ふるさと納税の控除上限額が下がる可能性があります。
Q. 中古マンションでも住宅ローン控除は受けられる?
はい。1982年以降に建築された住宅、または耐震基準適合証明書がある住宅であれば対象です。
Q. リフォームでも住宅ローン控除は受けられる?
一定の要件を満たすリフォーム(増改築、省エネ改修等)で、ローンの返済期間が10年以上の場合は受けられます。
Q. 住宅ローン控除の確定申告を忘れたらどうなる?
5年以内であれば還付申告が可能です。遡って申告しましょう。
まとめ
住宅ローン控除は、マイホーム購入者にとって最大400万円以上の節税効果がある非常に大きな制度です。
- 年末ローン残高の0.7%が税額から直接控除
- 新築は最大13年間、中古は最大10年間
- 初年度は確定申告、2年目以降は年末調整
- 繰上返済とのバランスを考慮する
住宅ローンの返済計画や繰上返済のシミュレーションには、Assistyの**ローン計算ツール**をご活用ください。借入額・金利・期間を入力するだけで、月々の返済額と総返済額がわかります。