退職届と退職願の違い

退職届と退職願は、名前が似ていますが法的な意味合いがまったく異なります。間違えると思わぬトラブルにつながるため、正しく理解しましょう。

退職願(たいしょくねがい)

退職願は「退職させてください」とお願いする書類です。会社が承諾するまでは撤回が可能です。

  • 性質: お願い(申込み)
  • 撤回: 会社が承諾するまで可能
  • 提出先: 直属の上司
  • 使用場面: 一般的な退職手続き

退職届(たいしょくとどけ)

退職届は「退職します」と通告する書類です。提出した時点で退職の意思表示が確定し、原則として撤回できません。

  • 性質: 通告(意思表示)
  • 撤回: 原則として不可
  • 提出先: 直属の上司または人事部
  • 使用場面: 退職が確定した後の正式手続き

どちらを出すべきか

一般的な退職の流れでは、まず口頭で上司に退職の意向を伝え、了承を得てから 退職届 を提出します。多くの会社では就業規則で「退職届」の提出を求めています。

退職願を出すのは、退職の相談段階で書面を求められた場合や、会社都合ではなく自己都合退職であることを明確にしたい場合です。

退職届の書き方

基本フォーマット

退職届はA4またはB5サイズの白い便箋に縦書きで書くのが正式です。PCで作成する場合はA4横向き・縦書きが一般的です。

記載する項目と順序

退職届には以下の項目を、上から順に記載します。

  1. タイトル: 「退職届」(中央に大きく)
  2. 本文冒頭: 「私儀(わたくしぎ)」と書く(行の下に寄せる)
  3. 退職理由: 自己都合の場合「一身上の都合により」
  4. 退職日: 「令和○年○月○日をもって退職いたします。」
  5. 届出日: 提出する日付
  6. 所属部署・氏名: 自分のフルネーム(押印)
  7. 宛名: 会社の代表者名(「株式会社○○ 代表取締役 ○○殿」)

退職届の文例

退職届

私儀

このたび、一身上の都合により、
令和八年四月三十日をもって
退職いたします。

令和八年三月二十二日

 ○○部○○課
  氏名 ○○ ○○ ㊞

株式会社○○
代表取締役 ○○ ○○ 殿

退職願の文例

退職願の場合は、文末が異なります。

退職願

私儀

このたび、一身上の都合により、
令和八年四月三十日をもって
退職いたしたく、ここにお願い申し上げます。

令和八年三月二十二日

 ○○部○○課
  氏名 ○○ ○○ ㊞

株式会社○○
代表取締役 ○○ ○○ 殿

「退職いたします」(届)と「退職いたしたく、ここにお願い申し上げます」(願)の違いに注意してください。

退職届の提出タイミング

法律上の期限

民法第627条では、期間の定めのない雇用契約の場合、退職の2週間前 に意思表示すれば退職できると定めています。

会社の就業規則

多くの会社では就業規則で「退職の1ヶ月前までに届け出ること」と定めています。法律上は2週間前で有効ですが、円満退職のためには就業規則に従うのが無難です。

推奨スケジュール

時期やること
退職2〜3ヶ月前直属の上司に口頭で相談
退職1〜2ヶ月前正式に退職届を提出
退職1ヶ月前〜業務引き継ぎ
退職日最終出社・退職手続き

封筒の書き方

退職届は白い封筒に入れて提出します。茶封筒はNGです。

封筒の表面

中央に「退職届」(退職願の場合は「退職願」)と書きます。

封筒の裏面

左下に所属部署と氏名を記載します。

封筒のサイズ

  • B5用紙の場合: 長形4号
  • A4用紙の場合: 長形3号

用紙は三つ折りにして、折り目の向きに注意して封筒に入れます。

手書きとPC作成、どちらがいい?

手書きが望ましいケース

  • 会社の慣例で手書きが求められている場合
  • 古くからある企業や伝統的な業界

PC作成でOKなケース

  • 会社で特に指定がない場合
  • IT企業やスタートアップなど
  • 会社指定のフォーマットがある場合

近年ではPC作成が主流になりつつありますが、氏名だけは手書き+押印 にするのが無難です。

退職届を出した後の手続き

会社から受け取る書類

退職時に会社から受け取る書類を確認しておきましょう。

  • 離職票: ハローワークで失業給付を受ける際に必要
  • 源泉徴収票: 転職先での年末調整や確定申告に必要
  • 雇用保険被保険者証: 転職先に提出
  • 年金手帳: 転職先に提出(マイナンバーで代替可能な場合もある)
  • 健康保険資格喪失証明書: 国保への切替時に必要

返却するもの

  • 社員証・IDカード
  • 健康保険証
  • 会社の備品(PC・スマホ等)
  • 名刺(自分の名刺・取引先からもらった名刺)

よくある質問

Q. 退職届は手渡し?郵送?

原則として直属の上司に手渡しするのがマナーです。やむを得ず郵送する場合は、内容証明郵便を使います。

Q. 会社が退職届を受け取ってくれない場合は?

退職は労働者の権利であり、会社が拒否することはできません。受け取りを拒否された場合は、内容証明郵便で送付すれば法的に有効です。

Q. 退職理由は詳しく書くべき?

自己都合退職であれば「一身上の都合により」だけで十分です。詳しい理由を書く必要はありません。会社都合退職の場合は「部門縮小のため」など具体的に書きます。

テンプレートを活用して作成する

退職届の作成は、形式を間違えると再提出になることもあります。kitly.me の退職届作成ツール を使えば、必要な項目を入力するだけで正しいフォーマットの退職届をPDFで出力できます。

手書き用の下書きとしても活用できますので、ぜひお試しください。

まとめ

退職届は社会人として一度は書く可能性のある重要な書類です。退職届と退職願の違いを正しく理解し、適切なタイミングで提出しましょう。円満退職のためには、口頭での相談 → 正式な書面提出 → 引き継ぎという流れを守ることが大切です。

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